各国語の「封蝋」

もともと日本に無い文化ゆえ、知っているようで、よく知らない封蝋のこと。まずは、それぞれの国の言葉で「封蝋」はなんと呼ぶのか調べてみました。
※ 間違いのないよう注意して調べましたが、もし勘違いがあったらご指摘ください。

英語圏で封蝋は?

エルバンのシーリングワックス4本セット
シーリングワックス=Sealing wax

英語で「封蝋」は「Sealing wax」です。この言葉は日本でも使いますし「何をわざわざ!」と言われそうですね。

「シーリングスタンプ」もそのまま…と思ったのですが「Sealing stamp」は間違いとは言わないまでも、商品の名前としてはあまり一般的ではないよう。

日本で言う「シーリングスタンプ」は英語圏では「シール seal」と呼ばれているようです。「seal」には紋章、封印、印鑑などの意味があります。

使い方としては、「put under seal 封印する」「company seal 社印」など。「口封じ、秘密を守る」という意味もあり、シールの使用目的を考えるとフムフムという感じがします。

アブラクサス シーリングスタンプ
シーリングスタンプ → seal

ということで、正確に日本語へ訳すなら、カタカナなら「シーリングワックス」と「シール」、漢字なら「封蝋」と「印」とでもするのがよさそうです。

とはいえ日本では、「印」はハンコ、「シール」はノリ付きでペタっと貼るシールの印象が強いので、「シーリングワックス」と「シーリングスタンプ」と呼ぶほうが誤解がなくていいのかも。

最初にこの訳語を考えた人も、正確さより日本の言葉事情を考慮したのでしょう。というわけで、当サイトでもこの呼び名で統一しています。

シールとアザラシ?


sealのseal

さて、今回のことを調べていて一番驚いたこと。

英語では「アザラシ」のことも、「seal」と呼ぶのだそうです。

「ヨーロッパ貴族が使っていたお洒落なステーショナリー」というふれこみなのに、あのクリクリした動物と同じ呼び名とは…。しかも「seal・ing」で「アザラシ狩り」という意味に。って、イヌイットか!!何で??

ちょっとしょっぱい気持ちになってしまいましたが、気をとりなおして考えてみると、アザラシを原料にして紋章・封印関係の何かを作っていたのかも?アザラシの骨や牙でスタンプを作るとか、脂をワックスに利用するとか。

試しにネット翻訳で調べたら、フランス語で封蝋を指す「Cire à cacheter」は「アザラシへのワックス」、スペイン語の封蝋「Lacre」は「あなたはアザラシ狩りをします」と訳されました。

英語以外でもアザラシ・・・。ネット翻訳がアホなのか。それとも、やっぱり何か由来があるのでしょうか。

好奇心を刺激される結果でしたので「シールとアザラシ」については、今後もボチボチ調べてみたい思います。

もし、何かご存知の方がいらしたらぜひ教えてください。

いろいろな国の「封蝋」と「シーリングスタンプ」

プレゼントにハーマンのぬいぐるみ 封蝋つきのお酒(グラッパ) シーリングワックス雑貨(グリーティングカード)

ドイツ語で「封蝋」は
「Siegellack」

「シーリングスタンプ」は「Siegel」

ドイツのブランド
ムッハ

フランス語で「封蝋」は
「Cire à cacheter」

「シーリングスタンプ」は
「Sceau」

フランスのブランド
アラジン」「エルバン

イタリア語で「封蝋」は
「Ceralacca」

「シーリングスタンプ」は
「Sigillo」

イタリアのブランド
ルビナート
ダライッティ

その他の国の「封蝋」
スペイン語「Lacre」、 オランダ語「Zegellak」、 ポーランド語「Lak」、 スウェーデン語「Munlack」、 ロシア語「Сургуч」、ウクライナ語「Сургуч」、エスペラント語「Sigelvakso」。

「アザラシ」以外では、封蝋の原料である「シェラック Shellac」と関係していそうな字面がチラホラ。(ちゃんと調べていないので、あくまで想像です)
※シェラックについての詳細はエルバンのページを参照してください。

軽い気持ちで調べはじめたら、予想外のことがいろいろ分かりました。
Sいやー、言葉の由来って面白いですね。

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